「信州ITバレー構想」を策定
2019年9月、長野県が「Society 5.0」時代にふさわしいIT産業の集積地になることを目指して、「信州ITバレー構想」が長野県産業イノベーション推進協議会によって策定された。
本構想は、2018年12月、(一社)長野県経営者協会、長野県立大学、当研究所の三者が長野県へ要望書を提出したことを契機に、検討を重ね、取りまとめられたものである。
長野県内にIT産業の集積を図る
長野県内では、中信、南信地域はそれぞれ医療、航空機関連の産業集積が着実に進んでいる。一方、東北信地域においては、新幹線など首都圏とのアクセスの良さを生かし、成長が期待される情報サービス・ソフトウェア産業を中核としたIT産業の集積地となることが望まれている。
県内にITソフトウェア産業が集積することで、さまざまな産業がその技術の恩恵を享受し、県内企業において付加価値や生産性向上など相乗効果が生まれることも期待される。
構想実現に向け、「若者をはじめ多様なIT人材の育成・誘致・定着」と「共創による革新的なITビジネスの創出・誘発」を大きな柱とし、民間企業、経済団体、教育機関、自治体などにおける取り組みを支援するとしている。
特に、本構想のフラッグシップ事業として、2019年5月に設立された(一社)長野ITコラボレーションプラットフォーム[NICOLLAP(ニコラップ)]による「善光寺門前イノベーションタウンプロジェクト(ZIT構想)」がある。善光寺門前界隈を拠点に、県内の若手経営者を中心としたコミュニティを形成し、イノベーションに関する議論を深め、起業家育成の仕組みをつくるものである。また、海外から優秀なIT人材を招聘し、人材不足を補う取り組みにも着手している。
キックオフシンポジウムにて構想の実現に向けた意見交換を実施
構想のスタートに当たり、2019年9月17日に「信州ITバレー構想キックオフシンポジウム」を開催した。地域創生や先端技術動向に関する基調講演のほか、県内IT企業経営者や有識者によるパネルディスカッションでは、長野県の魅力や今後の具体的な事業構想について有益な意見交換が行われた。
参加した講師やパネリストからは、構想の実現に向けたポイントとして、IT企業、ユーザー企業、大学(学生)など当事者一人ひとりが「主役」の意識を持って活動し、互いに連携・協業・コラボレーションすることの重要性が指摘された。
構想の推進体制組織として、産業界、支援機関、教育機関、自治体などで構成される「信州ITバレー構想推進協議会(ネットワーク)」(仮称)が設置される予定である。現在、設立準備の協議が進められており、本格始動に向けた体制構築が始まっている。当研究所も構想推進メンバーとして参画し、調査業務や事業提案などの役割を担っていく。
注意:シンポジウムの詳細は、経済月報2019年11月号掲載「特別セミナー 信州ITバレー構想 キックオフシンポジウム」で紹介している。ぜひご覧いただきたい。
〔参考:長野県産業労働部 創業・サービス産業振興室「信州ITバレー構想」(外部サイトにリンクします)〕
https://www.pref.nagano.lg.jp/service/shinshu_itvalley
(2019.11.25)