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「何度教えたら分かるの」ではなく、先輩あなたの教え方が悪い<2020・07・20>

新人の皆さん、頑張ってますか

今年の新入社員の皆さんは、新型コロナウイルス騒動に振り回され、研修が中止・延期となり、例年に比べ仕事への取り組みが遅れてしまっているようです。そのような厳しい中でも、仕事に慣れようと一生懸命に頑張っている時期かと思います。

それにしても学生時代の自由に暮らしてきた頃と比べると、仕事は大変なものです。

先輩からのお叱り「何度教えたら分かるの!」

そのような中、そろそろ先輩から「何度教えたら分かるの」とお叱りを受ける場面も多くなっているのではと思います。私も新人の頃は、3回ぐらい教えてもらわないとなかなか理解できずに、多くの先輩に迷惑をかけてきた苦い記憶があります。

しかし、この年になってみると、私の部下が新人を教える場面で逆のことに気付くことが多くなりました。つまり「何度言ったら分かるの」という部下の言い方や教え方が、一回で新人が理解できるような言い方や教え方に決してなっていないということです。

当然、立場上、私はその部下の指導方法を直すよう働きかけなくてはならないのですが、部下を持つ諸先輩方も「何度いったら分かるの」と怒り出す前に、「もしかしたら一度言ってできない理由は、自分の指導の仕方に問題があるのかもしれない」と反省してみるべきとも思います。

何度教えても分からなければ、教え方を変えてみる工夫も

仕事を教える際には、自分の先輩から引き継いだ業務手順書のようなものを基に、新人に教えていることが多いと思うのですが、ここで大事なことは「自分の頭で考え直してみる」ことです。

果たして、この教え方であらゆる新人が理解でき、成長できるのだろうかと。もしそうでないと感じたら、「これは自分の教え方にも問題があるかもしれない」と自問することが必要なのです。人にモノを教えるということは実は物凄く難しいことで、AのパターンでだめならB、Cと次々と別のパターンの教え方を考え、場合によってはその元となっている仕事の仕組み自体を考え直すことさえも必要でしょう。

営業では売れなければ売り方を変えるのに、指導方法は相手が理解できなくても変えないというのは不思議なことです。

コミュニケーションは受け手が主役、伝わらなければ0点

これからの人口減少が加速する時代では、昔のように1を言えば10を知るような優秀な人は相対的に減っていき、代わりに価値観も理解力もさまざまな人が多くなります。そして、そうした人達を戦力にしていくことが企業の生き残りにとって益々重要になるのだと思います。

こうした中には当然に障がい者の方もいます。障がい者を多く雇用している企業にお聞きすると、その多様な教え方に感動さえします。障害が障害にならないような仕事の仕組みを考え、理解できるまで根気よく教えているのです。そして、障害のある方にとって分かりやすいことは、健常者にとっても分かりやすいことになります。

著名な経営学者P・ドラッカーは「コミュニケーションは受け手が主役」と言っています。教える側がいくら一生懸命やりましたと言っても、受け手に伝わらなければそれは0点なのです。

「何度言ったら分かるの」と喉まで出掛かったら、この事を思い出し、改善してみてはいかがでしょうか。

  • (初出)SBCラジオ「Jのコラム」2020年7月20日放送より

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