増える登録加盟店数
2019年10月1日に開始された政府の「キャッシュレス・ポイント還元事業」では、同年10月1日から12月9日までの対象決済金額が約2.6兆円、消費者への還元額は約1050億円となっている。
経済産業省によると、同事業の登録加盟店数(以下、加盟店数)は2020年1月21日時点で約98万店である。このうち長野県は1万8584店で、全国で13番目に多い。
人口1000人あたりの加盟店数を図表1でみると9.0店となり、全国平均の7.7店を上回り全国8位の水準である。県内事業者は同事業への登録を積極的に進めていることがうかがえる。
図表1 都道府県別登録加盟店数と人口1000人あたりの加盟店数

県内は観光地の加盟店数が多い
県内の市町村別加盟店数では、長野市、松本市、上田市といった都市部が多い(図表2)。
一方、人口1000人あたりの加盟店数でみると、図表3のとおり白馬村57.4店、軽井沢町50.0店、野沢温泉村43.1店が上位であり、インバウンドの多い観光地が目立つ。
これら地域では、事業者が観光客の利便性向上のために早くからキャッシュレス決済を導入していた例も多く、同事業開始時にスムーズに登録が進んだと考えられる。
図表2 市町村別登録加盟店数と県内構成比

図表3 市町村別登録加盟店数と人口1000人あたりの加盟店数

多様化する決済ニーズへの対応を
一般社団法人キャッシュレス推進協議会のアンケートでは、同事業に参加した店舗の39%が「売上に効果があった」、37%が「顧客獲得に効果があった」と回答している。また、キャッシュレス導入・追加を行った店舗の39%が「業務効率化に効果があった」と答えており、一定のメリットがみられる。
一方で、22%の店舗は「入金サイクルの変化により資金繰りが困ることがある」と回答しており、従来から指摘されてきたデメリットは依然課題となっている。なお、QRコード決済サービスの中には最短で即時・翌日・翌営業日入金が可能なものもあり、こうした課題の解消につながると考えられる。
事業者は、キャッシュレス対応のメリット・デメリットを踏まえつつ、インバウンド需要を含めた消費者の多様化する決済ニーズに的確に対応していくことが求められる。
注意:詳細は決済事業者各社の公式サイトをご確認ください。
(2020.1.29)